そうやって顔色伺うの、やめてよ。
中学3年になって、私はクラスの女子4人グループになんとか仲間入りできた。
その中の一人、これまた私が一方的に好意を寄せ執着している子、仮にS田さんとしよう。
私は彼女に嫌われたくないあまり、つい顔色を窺っていたらしい(自覚なし)。
そして、ある日ついに我慢の限界がきたようで、数日間無視された後、意を決したようにこう言われた。
「そうやって顔色窺われるの、いやなの。やめて。」
ハッとした。ガーンとした。なんて言っていいかわからなかった。恥ずかしかった。背中が熱くなって、指先が冷たくなって、ノドに何か詰まったようになり、舌は乾いて馬鹿みたいに硬直した。
その後、どうなったかはよく覚えていない。
ただ、数日漂っていた無視による険悪な空気はなくなり、2人で登下校することもあったので、何とかなったんだろうなと思う。
ただし、その後私はよりS田さんに依存するようになり、高1でクラスが変わったあたりで距離を取られたことを覚えている。(続く)