あきらめる、こと
若さ、それは、ただ存在しているだけで価値のあるもの。
なんでもできる。失敗してもやり直せる。
なぜなら、人生はすごくすごく長いし、自分が守らなくてはいけない存在もないから。
とても自分勝手で、自由に生きられる。
新鮮で瑞々しい、ほんとうに素晴らしいもの。
そう、若いということは、ただそれだけで財産なのだ。
しかし、若いということはエネルギーが有り余っているということでもある。
それもそれであらゆる物事に着手する力となるので貴重な存在だが、欠点もある。
それは、負の感情に比重を傾けたときにおこる。
「なんなの、あいつ。
ただ朝だらだらと出社して、テキトウにこの規則が悪い、これはこうした方がいい、なぜなら最先端の会社はそうやっているから…自分の手を動かすことなく口のみを動かして語り、仕事を増やして去っていく。
この老害が。」
それは、親会社からやってきた妖怪天下リジジイのことである。
「なんなの、あいつ。
私の2倍以上は給料もらってるのに、たいした仕事もしない。
なのにこちらに業務を依頼してくる。
なのに詫びもない。えらそうな態度だけが己の価値化のように存在するくせに、私の給料の2倍以上も…(重要なので2回言ったが以下略。)
どうでもいいことに向く若さのエネルギー。
許せない。なぜ、どうして。
私の方がお前より仕事してるのに。
私の方がお前より苦しみ、葛藤し、労働しているのに。
なぜ。納得できない。説明を要求する!!!
…とわめきようが、人間が変わるはずがない。
生まれ変わるか、自分の今までの人生がひっくり返るような、大きな事件でも起こらない限り、人が変わるはずがない。
自分自身でも変えられないものを、赤の他人の、コムスメが革命を起こすなど250%むりな話である。
それを悟ることに、自分の主張を他社に認めさせ自分の思う通りに改心させることをあきらめることには、時の流れが必要だ。
若い膨大なエネルギーは御しがたい。
経験を積み活力の減少、そしてあきらめ。
年を経るのもいいことだ。
最近はそう思う。